3 月01
ライブエンタテインメント市場規模
たまにはちょい真面目な話とかも。簡単に、光井勇人がこれから挑もうとしている世界について。
まずはその市場規模から話させて下さい。この辺の情報は ぴあ総研から出ている「エンタテインメント白書 2008」に詳しいです。ちなみに、ぴあ総研っていうのは、ぴあ株式会社の子会社でレジャー・エンタテインメント分野のシンクタンクで、正式名称をぴあ総合研究所株式会社といいます。ぴあ総研から出版されている「エンタテインメント白書 2008」は、2007年のライブ・エンタテイメント市場動向についてジャンル横断的に一覧できます。音楽・ステージ・映画・スポーツ・遊園地/テーマパークという5ジャンルのライブ・エンタテインメント市場について、公演回数・動員数・市場規模(=チケット販売市場)の3つの基本指標を中心とした数々の統計データやレポートから市場実態を把握できるデータブックで2004年より発行されています
【市場概況】
ステージ、スポーツの好調な推移が市場全体を下支え
2007年のライブ・エンタテインメント5ジャンルの市場規模は1兆1,502億円と推計されます。2001年以降1兆1,000億円台をほぼ横這いで推移しており、2007年は対前年比0.2%の微減となりました。ジャンル別に2007年の特徴をみていくと、音楽・映画・遊園地/テーマパークの3ジャンルで前年を下回ったものの、好調に推移したステージ・スポーツによって市場全体は下支えされました。また動員数は、3億4,356万人(対前年比0.4%減)と推計されます。
各ジャンルの2007年の概要は以下のとおりです。
音楽:動員数2,365万人(対前年比2.9%減)、市場規模1,440 億円(対前年比5.1%減)
2007年の音楽コンサート市場は、動員数・市場規模のいずれも前年を下回り、推計を始めた2000 年以来はじめて前年を下回りました。主な減少要因は、全体の約7割(市場規模ベース)を占めるポップス(動員数:対前年比1.8%減、市場規模:対前年比2.4%減)と、約2割を占めるクラシック(動員数:対前年比6.0%減、市場規模:対前年比17.0%減)のいずれも、動員数・市場規模が減少となったことにあります。
ポップスでは、2006年に開催された「UDO MUSIC FESTIVAL 2006」や「THE 夢人島 Fes.」といった大規模ロック・フェスティバルが開催されなかったことで、ロック・フェスティバル市場が前年割れとなったこと、2007年には前年のようなビリー・ジョエル、ザ・ローリング・ストーンズ、マドンナといった大型来日公演が減少したことが市場の縮小につながりました。クラシックのマイナス成長は、モーツァルト生誕250周年記念イベントが2006年で終息した反動や、世界有数の歌劇場による大型引越し公演が前年ほど開催されなかったことによります。
ロック・フェスティバル市場の成熟化
ロック・フェスティバル市場(以下ロックフェス)は、この10年余年の間に飛躍的な拡大を遂げ、いまや音楽市場全体の1割程度を占める規模に達しています。ただし、2003年頃からほぼ横這いの推移となり、成熟期を迎えつつあるものとみられます。これまで「FUJI ROCK FESTIVAL」「SUMMER SONIC」の成功に触発され、新たなロックフェスが相次いで開催されるようになりましたが、近年では”フェス・バブル”ともいわれる現象が起こり、開催時期の重複、会場や出演アーティストの確保が困難になる状況も一部に生じています。ロック・フェスティバル市場は成熟期を迎え、選択と淘汰を繰り返しながら、今後は主力フェスの定着、及びそのほかのより一層の個性化・多様化に向かうフェスへと再編成されるものと思われます。
ステージ:動員数2,103 万人(対前年比5.1%増)、市場規模1,508 億円(対前年比6.9%増)
2007年のステージ市場は、動員数・市場規模のいずれも伸長しました。これは、歌舞伎/能・狂言を除くすべてのサブジャンルで、動員数・市場規模のいずれも前年を上回る好調な推移を示したことによります。なかでも市場規模全体の5割を占めるミュージカル(動員数:同9.1%増、市場規模:同11.7%増)、2割を占める演劇(動員数:同3.7%増、市場規模:同7.0%増)の好調が大きく寄与しています。
ミュージカルについては、劇団四季、宝塚歌劇団、東宝ミュージカルの大規模かつ安定した動員に支えられながら、シルク・ドゥ・ソレイユや、マッスルミュージカルといった新形態ミュージカルの成長、さらに芸能プロダクション制作ミュージカル、コミック原作の「テニスの王子様」など新しいタイプの公演も登場し、供給の多様化と活発化が進展しています。演劇では人気テレビドラマやヒット小説の舞台化作品が市場規模の拡大に寄与しています。
ステージの市場規模が推計開始以降、初めて音楽を上回る
2007年には、弊社がライブ・エンタテインメント市場の推計を始めた2000年以降、初めてステージの市場規模が音楽を上回る結果となりました。ステージ市場は、この7年間に1.4倍の規模に拡大しています。特にここ数年間は、劇場のリニューアル、新規オープンが相次いだことが、成長基盤を築いています。2007年には、インボイス劇場、渋谷マッスルシアター、日比谷シアタークリエなど、客席が600~1,000席レベルの比較的大規模な劇場がオープンしました。この現象はしばらく続く模様で2008年3月に赤坂サカスに赤坂ACTシアター、同月に東京ドームシティにJCB HALL、10月には東京ディズニーリゾートにシルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京など、2007年よりもさらに大規模な劇場がオープンします。
映画:動員数1億6,319 万人(対前年比0.9%減)、市場規模1,984 億円(対前年比2.2%減)
2007年の映画は、動員数、市場規模のいずれも前年を上回った2006年から一転し、前年割れとなりました。これは、2006年に過去最高の市場規模を記録した邦画が、対前年比12.3%減の947億円と大幅に縮小したためですが、それでも前々年を上回る高水準を維持しています。一方、洋画の市場規模は、1,038億円(対前年比9.3%増)と1,000億円台を回復し、再び邦画を上回りました。2007年は興行収入が100億円を超えた大型ヒット作品は「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」(興行収入109.0億円)のみで、50億円を超える作品も6作品(前年11作品)にとどまり、ヒット作に恵まれない年となりました。
シネマ・コンプレックス(以下シネコン)間の競争激化
2001年以降、映画の市場規模は2,000億円前後で横這いが続いています。一方で、スクリーン数はシネコンが登場して以降増加の一途を辿り、2007年には3,221スクリーン(対前年比5.1%増)となりました。しかし、1スクリーン当たり興行収入は減少トレンドにあり、2007年には6,161万円と過去30年間で最低の水準となりました。シネコンの登場当初は、郊外型ショッピングモールなどに併設される形で普及したために、シネコンの増加は映画ファンの掘り起こしに成功しましたが、最近は都市部への開設が増えており、シネコン間で既存顧客を奪い合う構図が強まっているものとみられます。競争が激化するなかで、2008年2月には「ワーナーマイカル東岸和田」(1993年10月開館)がシネコンとしては国内で初めて閉館するに至っています。
スポーツ:動員数2,759万人(対前年比4.3%増)、市場規模1,048億円(対前年比4.0%増)
2007年のスポーツ市場は、動員数・市場規模のいずれもプラス成長となりました。これは、格闘技を除くすべてのサブジャンルで、動員数・市場規模のいずれも前年を上回ったことによります。なかでも、野球における「クライマックスシリーズ」導入がセ・パ両リーグのシーズン終盤の大幅な動員数拡大につながり、動員数は対前年比6.6%増、市場規模も同8.2%増と伸長し、スポーツの市場規模の拡大を牽引しました。
なお、本白書より推計対象にバレーボールを追加し、2000年に遡り推計を行ないました。
球界再編騒動以降、拡大を続ける野球の市場規模拡大がスポーツ市場を牽引
2004年の球界再編騒動以降、野球の市場規模拡大が続いています。2005年からは「セ・パ交流戦」「アジアシリーズ」、2007年にはパ・リーグに導入されていたプレーオフをセ・リーグにまで拡大し、セ・パ両リーグによる「クライマックスシリーズ」と相次いで新制度導入が導入されました。また、各球団におけるハード・ソフトの両面における経営努力も活発に行なわれるようになっています。例えば従来よりもプレーゾーンにせり出した観客席の設置、フェンスの低層化、ホスピタリティの充実を図るためのハードの改修や、試合開始前に選手と観客が触れ合う機会を設けたり、球場周辺で様々イベントを開催し、祭典感の演出するなどサービスの充実も図られています。特にパ・リーグにおいて、ロッテ、日本ハム、楽天を中心に地域密着施策が積極的に推進され、着実な効果が現れつつあります。さらに詳細なマーケティング調査に基づいて、従来よりも席種割を細分化し、弾力的な価格設定を行なう球団も増えており、野球の1人当たり平均単価は2005年以降上昇が続いています。
遊園地/テーマパーク
:動員数1億809 万人(対前年比1.4%減)、市場規模5,522億円(対前年比0.7%減)
2007年の遊園地/テーマパークは、依然として既存施設の閉鎖に歯止めがかからず、動員数・市場規模のいずれも前年を下回りました。主な減少要因として、2006年中に閉鎖した施設の純減に加え、ジェットコースター事故が発生したエキスポランドが一時閉鎖に追い込まれるなど、動員数を大幅に減らす施設もみられたことがあげられます。
一方で、市場規模全体の5割を占め圧倒的なシェアを誇る東京ディズニーリゾートと、これに次ぐ2割を占めるユニバーサル・スタジオ・ジャパンが前年を上回る動員数を記録し、1人当たり平均単価の上昇もあり、市場を底支えしました。これら2施設に加え、八景島シーパラダイス、ナガシマスパーランド、ハウステンボスなど、動員数上位施設は積極的な設備投資が功を奏し、前年を上回る動員数・市場規模を記録しています。
二極化進む遊園地/テーマパーク
遊園地/テーマパーク市場では、動員が伸び悩む既存施設の閉鎖が続く一方で、安定した財政基盤から継続的な設備投資を行なうことのできる大型施設は堅調な推移をみせており、二極化の様相を深めつつあります。こうしたなか、”エデュテイメント”という斬新なコンセプトを軸に大規模な設備投資に依存しない新たなビジネスモデルを構築したキッザニア東京が、2006年10月のオープン以来快進撃を続けるており、従来の枠組みにとらわれない新たな施設運営の一つの方向性を示唆する取り組みとして注目されます
(出典:ぴあ総合研究所株式会社『エンタテインメント白書2008』)




